「合格したよ!」「よかったね、おめでとう!!」
合格通知を受け取り、家族そろって大学入学を喜んだのも束の間・・。
わが家の長男は、家からの通学ではなくて、「一人暮らしがしたい!」と言い出しました。予想はしていたことだし、子どもの成長を喜びつつも、現実的になると「この子に一人暮らしができるのだろうか・・」と不安になるものです。
子どもが「一人暮らしがしたい」と言ったときに感じる不安や心配、悲しみや寂しさは、生まれてから今まで一緒に暮らしてきた親として(大なり小なりはあったとしても)たぶん誰でも生まれる感情なのではないかと思います。
この思いが落ち着くまでには、ある程度時間も必要です。今までいつもそこに存在していたものがなくなるのですから。時間の経過の中でやっと少しずつ空いた穴が埋められ変わっていくもののようです。特に高校卒業で別れることは、頭で理解していても心が受け止められないということもあるかもしれません。
でも、親離れ、子離れの時が来たのです
今日は子どもが「一人暮らしをしたい」と家を出たときに感じる不安と心配と寂しさについて、そして大切な人間関係(親子・家族関係)についてお話ししたいと思います。
4人に一人は子どもに一人暮らしをさせたくない!?
ここで2014年に株式会社共立メンテナンスが行ったあるアンケートの結果を紹介します。
このアンケートは「4月から大学進学で一人暮らしを始める子どもを持つ親」が対象で男女30歳~59歳、400名に全国規模で行ったものだそうです。
その結果、
4月からの進学のタイミングで自立してほしいと願う一方、一人暮らしには不安が多く、4人に1人(25%)は子どもに一人暮らしはさせたくないと感じていること、
そして不安に感じていることとして、
第一位・・きちんとした食事をとっているか
第二位・・自分で健康管理ができるか
第三位・・犯罪に巻き込まれないか という結果が出たそうです。
引用元:https://www.kyoritsugroup.co.jp/ir/press/pdf/2014/140204.pdf
私の気持ちもこのアンケートと全く同じでした。自立してほしい反面、不安が大きかったです。毎日のように「今どうしてるかな、朝ご飯は食べたかな」と、お恥ずかしい話ですが、まるで恋人を思うように、時には溢れる涙を抑えながら(笑)、切ない気持ちになったものです。
会って別れるときには、長男にはわからないように電車や車に乗った途端に号泣したこともあります。私の友達も同じことを言っていました。
あなたが子どもと離れて暮らすことになったとき、つらい気持ちになったら「私だけではないんだ」と思い出してください。思い出すことで気持ちが楽になるかもしれませんし、そうであったら嬉しいです。
そして喜び勇んで一人暮らしを始めた本人も、次に来るのが「5月病」。
新しい人間関係や環境に疲れを覚えるようになります。初めての一人暮らしで自立して生きていくことは肉体的にも精神的にも不安や寂しさは生まれるものです。
一人暮らしにありがちな不安ベスト4は「寂しさ」「病気」「お金」「防犯」
それでは、ここからは、一人暮らしを始める子ども達が感じる思いについても見ていきましょう。
一人暮らしをして経験する不安ベスト4は「寂しさ」「病気」「お金」「防犯」だそうです。
そんな子どもの不安を少しでも楽にするために、「一人暮らしをしたい」といった子ども達に対して親ができることはなんでしょうか。一緒に考えてみましょう。
一人暮らしを始める際に防犯面の確認や周りの環境に配慮すること。
特に女の子の場合は、オートロック機能の確認や2階以上の部屋であるか、そして男女限らず一人暮らしをする周りの環境は健全か、などに気を付けて物件を選ぶ必要があります。できるだけ親も一緒にアパート探しをすることをお勧めします。
安心した環境で暮らせるように金銭面での安心感を与えること。
一人暮らしはお金がかかるので贅沢三昧はできませんし、またそれが良いことでもありません。学生であっても本人にもアルバイトをしてもらいながらも「お金の不安やほかにも何かがあったらまずは親に相談」できるような関係を築き安心感を与えることが必要だと思います。
たとえ仕事を始めてからの一人暮らしてあったとしても、様々な問題を一人で抱えるのではなく「何かあったら相談」できる、またしてもらえる関係になりたいものです。そして相談してきた時は、しっかり話を聴いて「話してくれてありがとう」と受け止めることも必要かなと思います。
メンタル面の支えは大切です。
SNS等を使って繋がりをもちつつ、遠くから見守ること。
ラインなど返事はなくても既読が付くSNSの存在は離れて暮らす親からしたら本当にありがたいものです。子どもは頻繁に連絡をするのは疎ましく思ってしまうかもしれないので、何気なく自分の情報を伝えながら、時に安否確認をしつつ、良い距離感で遠くから見守るしかありません。
結局は・・子どもが一人暮らしを始める前に、どんな親子関係であったのかが問われるのかもしれません。
一緒に暮らしている時は思春期過ぎの子どもとの関係はなかなか難しいものがあります。また愛情を表現することも特に日本人は得意ではないかもしれませんが、やはり生まれてから離れていくまでの親子関係が問われるのだと思います。恥ずかしがらずに、できる範囲での愛情表現をし続けたいものですね。
親離れ、子離れの時がきたのです!
親は子を信じて、子どもは自分を信じて歩みだします。子どもは親の所有物ではなく一人の個性を持った人間です。ついそれを忘れてしまいがちですが、そのことを自覚した時に、また一つお互いが成長していくのではないでしょうか。
そして、子どもが自立していく寂しさや切なさが、喜びや安心感に変わっていきます。今度は子どもの存在が生きる意味になるのではなく、親も自分の人生を伴侶や大切な家族や友、仲間と共に生きる、それもまた人間としての成長だし幸せになるのだと思います。
子供が一人暮らしをしたいと言ったら まとめ
今の親子関係は、一人暮らしをするまでの親子の人間関係が問われると上記で書きましたが、今からでも、いつからでも決して遅くはないと思います。
わが家の長男も思春期は親とは口もきかず、一人暮らしを始めたときも親から離れた開放感で昼夜逆転をしたり、荒れた生活をしたりしたこともあったようです。
でも、どんな時も、「あなたを守るよ、大丈夫!」というメッセージだけは(口に出す、出さないは別として)伝え続けました。そして実は子どもも親に心配かけたくない、立派になりたい、成長したと思ってほしいと思っているのです。
それを信じていくことも大切だと思います。